クレーム
 近所の弁当屋でステーキ丼を買って帰り、揚々とフタを開けると白ごはんでした。ステーキ肉の他に、何も載せられる予定が無かったのだろうそれは、見事に真っ白な白ごはん。さすがに…白ごはんでは…と、さっき帰り道だった道を弁当屋へ向かいました。

 弁当屋のオッチャンは当然ながら平謝り。「もっもう結構ですから、頭を上げて下さい」って程のことになってしまい、もともと文句を言うではなく、あるべき肉を貰えれば良かっただけの心持ちでは、かえって恐縮する以外に術が無いままでした。

 以来、オッチャンは顔を見る度、思い出したかのように「この前は、すみませんでした」「この前は…」「この前は…」と謝るのです。もともと怒ってもいないし、その証拠に変わらずお弁当を買いに来てるっていうのに、オッチャンは毎度の平謝り。行くとまた余計な頭を下げさせてしまうかと思うと、どうにも心苦しく、少し足が遠退くようになりました。

 しばらく間を空けたり、メガネを掛けたり、ニット帽を被ってみたりとしても、どうしてバレるのか「この前は…」「この前は…」って平謝り。もう良いよ…もう良いんだよ、オッチャン。あれはもう一年以上も前の話なんだから…。

 こうなったら、こちらが頭を下げます。頼みます。頼みますから、もう忘れて下さい。何なら謝っても良いです。肉を載せろなんてワガママ言ってごめんなさい。だからお願いです。普通にお弁当を買わせて下さい。
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by ajicoba | 2006-03-17 04:13 | エッセイ
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アジコバの考える毎日
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