人に歴史あり
 
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 週に一度か二度、隣のおじいさんから釣りたての魚をいただきます。釣りが趣味で、暑かろうが寒かろうが、毎日朝夕近くの海岸まで釣りに行くおじいさん。すっかり師走、そろそろメバルが釣れだす季節です。

 いまでこそ、毎日釣り三昧のおじいさんだけど、阪神淡路の震災をきっかけにお店を畳んで引退されるまでは、明石海峡を行き来する、外国航路の船乗りさん御用達の仕立て屋さんだったとのこと。神戸港に入った船乗りさん達が、わざわざ明石まで採寸・オーダーに来て、毎日朝から夜中まで忙しくお仕事されていたそうなので、腕の良い職人さんだったんでしょう。動物好きで、船乗りのお友達から、航海中のペットの世話をよく頼まれたそうで、犬や猫はもちろん、中には船乗りさんが外国から連れて帰って来た、いまではワシントン条約に引っ掛かってしまうような、珍しいオウムや猿なんかも飼われていたんだとか。

 戦後から昭和の中頃、ファストファッション全盛で、何でも流行に合わせて安く手に入るいまとは違って、高価だけど一着一着誂えられた服が、一生モノとして大切にされた時代。服ひとつを取っても、作り手の思い、着る人の思い、いろんな思いが詰まっているようで、厳しくも素敵な時代だったんだろうなと思います。

 自分の腕一本で家族を養って、老後はひ孫や家族に囲まれ、毎日のんびり釣り三昧。何だかめちゃめちゃ格好良い。憧れちゃいますね。
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by ajicoba | 2011-12-16 16:46 | エッセイ
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