未確認生物の恐怖
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 一人で穏やかな海を眺めていたりすると、いつも思うことがある。「ネッシーみたいな生き物がピョコンと首を出して、ポチャンと消えたらどうしよう…」。もしも、そんな生き物をうっかり目撃してしまったら…。心配で心配で仕方ない。
 
 きっと僕は血眼になって、いろんな人にその出来事を話すだろう。そして「どうせクジラか何かの見間違いでしょ?」とか「はいはい、そうですか」とか何とか軽くあしらわれる。たとえ誰一人信じてくれなくても、自分だけの真実として、グッと堪えることができれば良いんだけど、きっとそうはいかない…。「本当だと証明してやる!」そう決心した僕は、ネッシーのような生き物を勝手に『コバッシー』なんて呼び始めて、家族も友人も仕事も顧みず、私財をも投げ打って『コバッシー』の捕獲に、人生の全てを捧げてしまうことになる…。

 どんなに社会的地位のある堅実な人だろうと『金星人』とか『ツチノコ』とか言い出した時点で、もうダメな気がするのに、まして僕みたいな根無し草が『コバッシー』なんて言い出したらどうなるのか? 考えただけで恐ろしい…。

 たとえ若いうちは「家族のため、生活のため」と自分に言い聞かせて、自制することができたとしても、歳を重ねるにつれ、胸に秘めたあのときの『コバッシー』が再び首をもたげる日が必ずやって来る。孫や近所の子供達を集めては言うだろう「お爺ちゃんは若いときにコバッシーを見た」と。そしてこう噂される「小林さんのお爺ちゃんもいよいよだ」と…。

 未確認生物なんて見てしまったがために、こんなにも酷い目に遭う。だからどうかお願いします。『ネッシー』も『金星人』も『ツチノコ』も『イエティ』も『ヒバゴン』も『チュパカブラ』も僕の前には決して現れないでおくれ。
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by ajicoba | 2012-03-07 16:35 | エッセイ
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