大盛り
 つい言ってしまう。「唐揚げ弁当、ゴハン大盛りで」「ラーメンセット、ゴハン大盛りで」「カルビ、ユッケと、え〜、あとゴハン大盛りで」。いつまでこの「ゴハン大盛りで」を言い続けるのか、いや、言っても許されるのか心配で仕方がない。

 『ゴハン大盛り』は『学生』にこそ似合うものだ。よく通った定食屋の女将さんも、こちらが学生と知れば勝手にゴハンを大盛りにしてくれた。「お腹を空かせた学生さんにお腹一杯食べて欲しい」そんな優しさと「米食わしとけばいい」そんな適当さが溢れていた。『学生』→『貧乏』→『空腹』→『ゴハン大盛り』 いくら時代が変わろうが、この図式の中『お腹を空かせた学生さん』は美しい。ノスタルジックな青春の象徴。お金は無いが夢がある。唯一『貧乏』が肯定される存在。だからこそ世間様も寛容で、温かい応援の手を惜しまないのだ。

 だが、これが『社会人』→『貧乏』→『空腹』→『ゴハン大盛り』となると、どうやら別の話になってくる。『お腹を空かせた社会人』ちょっとまずいんじゃなかろうか?そこには気の毒さが滲み出るばかりだ。『お腹を空かせたお父さん』『お腹を空かせた義理の父親』『お腹を空かせたお爺ちゃん』『米食わしとけばいい』この先『ゴハン大盛り』は家族・親類をも巻き込んで、どんどんまずい方向へ向かって行く。
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by ajicoba | 2006-01-25 00:50 | エッセイ
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