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白く濁る
 教育テレビの理科系番組について、もう一つ気になることがある。「化学反応によって得られたこの気体、一体何でしょうか?」「う〜ん、何でしょう?」「じゃあ、この気体が何か調べる為に火をつけてみましょう」おいおい、ちょっと待ったほうが良いのではないか。落ち着いて考えろ。いきなり火をつけても大丈夫なのか?もし爆発性の高い気体や有毒なガスだったらどうする気なんだ? そりゃ先生にしてみたら、その気体は何の疑いようもなく水素なのだろうし、はじめから水素が発生する実験をしたのだろう。それはわかる。良くわかるのだが、どうにも腑に落ちない。「この気体が何か調べる為に石灰水を用意しました」…実験とはそういうことではない、そんな気がしてならないのだ。
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by ajicoba | 2005-12-29 04:12 | エッセイ
化学の反応
 夜中に放送している教育テレビ、中でも理科系の番組が好きだ。聞き手のお姉さんのハイテンションと、先生と呼ばれる人物の台詞棒読みが、独特のリズムを生み出し、いつもハラハラさせられる。
 『ハイテンションのお姉さんと真面目な先生』まさに黄金の化学反応である。お姉さんがボケる、先生は苦笑い。先生がボケてみる、お姉さんには理解不能。お姉さんがツッコム、先生はボケていない。民放では絶対に見ることの出来ない空回り、根が真面目だからこその面白さだ。他にこんな見方をしている視聴者がいるかどうかはわからないが、ハラハラしながらもお姉さんと同じ目線で、わかりやすく勉強できるのだから大したものだ。ふざけ過ぎず、堅過ぎず、実に良くできている。
 仮にこの化学反応が発見されておらず、真面目なお姉さんと真面目な先生だったらどうだろう。「では、この気体が何か調べる為に、火をつけてみましょう」「了解しました!」「安全確認!」「安全確認よーし!」「点火準備!」「点火準備よーし!」「点火1分前!」「59、58、57、56、55 …」15分番組がこれではいけない。逆に不真面目コンビが、くわえタバコで水素実験に挑む姿も色んな意味で教育上まずいんじゃなかろうか。お爺さんと先生「では、この気体が何か調べる為に、火をつけてみましょう」「パァン」「はい、爆発しましたね」「…」「…」「…え?」もしハイテンションのオカマ先生二人組だったりしたら、もう大変である。「この気体が何か調べる為に、火…」「パァン」「キャー、アンタ何で急に火つけんのよ!鼓膜破れたらどうしてくれんの、次、アンタやりなさいよ!」「嫌よ!何でやらなきゃなんないのよ!」「いいから早くアンタ、コレ持ち…」「パァン」何だかよくわらないことになる。
 
 『ハイテンションのお姉さんと真面目な先生』誰かは知らないがこの化学反応を発見した人は偉い。
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by ajicoba | 2005-12-27 01:49 | エッセイ
子供の遊び
 先日、知り合いの子に『なぞなぞ』を出された。「さしても、さしても痛くないモノな〜んだ?」まぁ子供の遊びだ。「う〜ん、何だろう?」などと悩んでいる振りをして、一頻りその子を楽しませた後、自信満々で答えた「指!」「ブ〜ブッブッブッブ〜!」鬼の首でも取ったかのように、きゃっきゃと騒ぐ子。「答えは傘でした〜!」…なるほどなと思いながらも、「指差しても痛くないやん」と反論してみるが「指刺さったら痛いやん」と一蹴されてしまった。今になって思う、傘刺さったらもっと痛いやん。
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by ajicoba | 2005-12-25 08:58 | エッセイ
小鳥が出ますよ
 「すみません、ちょっとシャッター押してもらえませんか?」遭遇率が異常に高い。つまり「やたらと記念写真を頼まれる人」である。もちろん『池中玄太80キロ』のような風体で歩いているわけではないし、西田敏行にも似ていない。理由はわからないが、いわゆる観光地・名所と呼ばれる場所を訪れると、大抵1回は声をかけられる。一所で8回声をかけられたことだってある。「お店に入ると急に客が増える人」や「めったにティッシュを貰えない人」と同じように、何かのオーラ?があるのかも知れない。

 どんなことであれ、頼りにされて悪い気はしないし「ありがとう」と感謝されれば、素直に嬉しいものである。喜んでシャッターを押そう。ただ、シャッターを押すときには何らかの合図を出さねばならない風潮がある。それが困りものだ。旅先での出来事なのだから、「パシャリ」「さようなら」で済むのかも知れない。しかし、それでは「やたらと記念写真を頼まれる人」失格である。

 写真を撮るときの合図で、最も一般的なのは「はいっ、チーズ」だろう。だが見ず知らずの人の前で「はいっ、チーズ!」と声を張ることには、どうにも耐え難い抵抗がある。大の大人を一瞬にして馬鹿に変えてしまう、あの妙な抑揚とリズムは何だろう。「はいっ、チーズ!」「コマァ〜シャル」「僕マイッケル!」どれも大差無いではないか。だからって「イチたすイチは〜?」も、かなりの勇気が必要だ。誰も「にィ〜」と言ってくれなかった場合、目も当てられない惨事となる。ちなみに、韓国では「キムチ」と言うらしいが、前置きも無く「キムチィ!」と言ったところで困ったことになってしまうし「ウィスキー」と言う国もあるようだが、やはり同じことだ。

 聞くところによると「ちぃ」の発音をしたときの口の形が、自然な笑顔に一番近いらしい。だとすれば何も「チーズ」でなくても良い。必要なのは「ちぃ」だ。もっと良い言葉はないものだろうか?「ちぃ」「ちぃちぃ」「ちぃちぃ!」…出て来てしまったが、やっぱり「地井武男」ではまずい。「ちぃたけおォ〜」全員が「おォ〜」の顔をした、よくわからない記念写真が目に浮かぶ。ならば「ちっちきちぃ〜」はどうか?「ちぃ」がこれだけ並べば、間違いなく笑顔はバッチリだ。バッチリ笑顔で全員が親指を立てた記念写真が出来上がる。被写体にもよるが、やはりこれも考えものだ。十数人のオバサマ達全員が満面の笑みで親指を立てている写真など不気味で仕方ない。ロケーションが種子島宇宙センターだったりしたら、もう婦人会だかアルマゲドンだか、何だかわからないことになる。結局いつも「はい、撮りまぁ〜す」と軽く宣言した後、無難に無難にシャッターを切るようにしている。

 最近はデジタルカメラが多い。「やたらと記念写真を頼まれる人」にとってデジカメは相当な困りものだ。文明の利器を恨めしく思う。なぜなら、ズバリすぐ見られるから。「いや、かなんわ、わたし目ぇ瞑ってしもてるわぁ、お兄ちゃんもう一枚」ってことになる。トリミングがまずかったり手ブレをしていたなら、こちらも素直に否を認める。が、表情、シワ、顔色までは知ったことではない。「やたらと記念写真を頼まれる人」はあくまでも「やたらと記念写真を頼まれる人」であってプロではないのだ。まして十数人のオバサマ達全員が揃いも揃って人生のベストスマイルになる確率など、頭に隕石が落ちる確率よりも低い。池中玄太80キロでも180キロでも出来ないものは出来ない相談である。

 「すみません、ちょっとシャッター押してもらえませんか?」声を掛けたときに、何故その人なのかを考えてみて欲しい。「近くにいた」「声を掛けやすかった」「優しそうだった」など色々と思い当たる理由があるだろう。しかし、そんなものは結果に過ぎない。全ては、その人が「やたらと記念写真を頼まれる人」だからである。
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by ajicoba | 2005-12-23 05:33 | エッセイ
ジェネレーション
       母上様お元気ですか? 
       夕べ杉の梢に明るく光る星一つ見つけました
       星は見つめます母上の様にとても優しく
       私は星に話します
       くじけませんよ男の子です
       淋しくなったら話しに来ますね
       いつかたぶん 
       それではまたお便りします母上様 
                         一休



       この手紙を普通に読むのが難しいか否か。
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by ajicoba | 2005-12-19 02:20 | エッセイ
家族の風景
 独り身の我が家の壁は薄い。休日には一日中寝ていることもしばしばなのだが、そんな日は隣一家の騒ぎ声で目を覚ますことがたまにある。「行け!よし!そこや!よっし!もうちょい!何しとんねん!あかん!違うって!うわぁぁ!うわぁぁ!」直接見たわけではないが、間違いなくテレビを囲んでの騒ぎである。もしポットを囲んで騒いでいるのなら、早々に引っ越したほうが良い。
 
 何度も経験するうちに隣一家が騒がしくなるテレビ番組は熟知してしまった。たいていはサッカーの代表戦。A代表の生中継ともなるとスタジアムと共に「オーレオーレ」が始まるので少々困る。「ナカァータ、ナカァータ!」とジーコ風に連呼されたときには、さすがに壁を蹴るに至ったのだが …。他には『PRIDE』『K-1』などの格闘技番組がたまに混じる。まぁこちらとしても、それらの番組には目がないもので、隣一家が騒ぎ出すと急いでテレビをつけ、騒ぎ声とシンクロする映像を探すことになる。おかげで何度か代表戦を見逃さずに済んだ。少しくらいは感謝をせねばなるまい。
 
 ある日「よっし!そこや!行けぇ!上手い!よっしゃぁ!うわぁ!入った!」と、毎度の大騒ぎが始まったので、慌ててテレビをつけた。 … おかしい。どのチャンネルでも代表戦などやっていない。なおも大騒ぎは続き、あれこれとチャンネルを変える。「上手い!よっしゃぁ!入った!ゴォーォォル!ゴォーォォル!」隣一家の興奮に合わせて、武田鉄矢と細川ふみえがエアーホッケーをしていた。
 
 たとえ武田鉄矢が自慢のハンガーを振り回わそうが、細川ふみえが自慢のオッパイを振り回わそうが、決して大騒ぎなどしない静かなる我が家族の風景を想いつつ、ひとりホンジャマカの応援にまわった夜のお話。
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by ajicoba | 2005-12-17 01:28 | エッセイ
万が一に備えよ
 職場からの帰り道、定食屋に立ち寄る。何てことはないごく普通の定食屋。豚の生姜焼き定食を注文し、『こち亀』を読みながら、美味しくいただいた。お腹一杯さぁ帰ろうと、伝票代わりの紙切れを手に取る。そこにはただ一言、こう書いてあった。
 
 『  ブ  タ  』    客が客ならば血を見ているところだ。
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by ajicoba | 2005-12-15 17:58 | エッセイ
地球人の味覚
 上司よりタイ土産をもらう。何かのインスタント食品なのだろうが、いかんせんタイ文字が読めない。ただパッケージを見てわかる。絶対に辛い、それだけはよくわかる。唐辛子 → 辛い → 炎 という図式は万国共通のようだ。唐辛子をモチーフにした目つきの悪いキャラクターが睨みをきかせ、そいつが火を噴いている。唐辛子野郎が火を噴くのだからよっぽどのことになっている。「俺は辛いぞ!」という目一杯のアピールだろう。辛いものは好きなほうだ、受けて立とうじゃないか。
 いや、ちょっと待てよ、この「辛いぞ!」というアピールは誰に向けられているものか?上司はこれをタイの小さなスーパーで購入したと言った。つまり、タイ風味が楽しめるだけのチャラケたお土産品ではない。ターゲットは生粋のタイ人ということだ。なるほど一応の英語表記はあるものの、全く意味が分からない。日本の商品でこのパッケージなら「辛いんだろうな、明日お尻痛いかもな」くらいで想像は事足りる。でもターゲットはタイ人だ。タイ人に向けて「俺は辛いぞ!気をつけろ!」と言っている。きっとお尻では済まない。
 
 英語で商品名が書いてあったので読んでみる。『ザブ』 お尻では済まないフォー!
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by ajicoba | 2005-12-14 22:53 | エッセイ
痛いときにはタップする
 歯医者で手を挙げたことがない。正確に言うと挙げられない。「痛かったら手を挙げて下さい」と言われ、手を挙げたら「我慢して下さい」ってオチになるのが、よくある面白話だが、未だに経験できないままでいる。一度くらいはビシッと手を挙げ「我慢して下さい」って見事にオチてやろうと、ドリルの音が響く中、準備を整え「痛ッ」とくるタイミングを計るのだが、どうにも挙げられない。

 考えるに『痛い』という感覚と『手を挙げる』という行為は、全く結びつかないんじゃなかろうか。自動車を運転中、本当に危ないってときにはクラクションを鳴らせないのと同じことで、本当に痛いときは手なんか挙げている場合ではない。では本当に痛いとき人は何をするのか?

 たまに腰痛を患うため接骨院の世話になるのだが、いつも行く院の先生は少々強引な施術をする。元来身体が硬い上、デスクワークで凝り固まった筋肉をグイィィィっと伸ばされ、ゴリゴリッと曲げられる。レスラーも真っ青の体格から繰り出される関節技に、当然ながらじっと耐えられる訳がないのだが、振り解いて逃げられるような力でもない。危うく気が遠くなりそうになる中、何をしたか。それは『タップ』だった。自分でも驚いた。格闘技経験など全く無い人間がタップしたのである。いつもテレビで格闘技を見ている影響かとも考えたが、どうやらそれが答えでもなさそうだ。見れば横で似たような施術を受けるオバサマも…耐えて…耐えて…タップした!

 どうやらタップは人間の本能的な行動に近いようだ。本当に痛いとき人はタップする。手なんか絶対に挙げない。ひょっとして歯医者はそれを重々承知で「痛かったら手を挙げて下さいね」などと言っているのではなかろうか?「痛かったらタップして下さい」なんて正直に言ったら、ぜ〜んぜん仕事にならないから。
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by ajicoba | 2005-12-13 20:06
スポーツマンになる朝ぼらけ 最終話
 こうなると後はもろいものだ。導かれるようにTシャツに着替え、誘導されるように近所を走ってみる。当然、激しく疲れるが「靴が悪いな」などと、あらぬ方向へ考えが向く。次の日、スポーツ店へと赴きジョギングシューズを眺める。「どうせだったらすぐに止めてしまわないよう、いいのを買う」もう考えは修正のできない方向へ向いたようだ。しかも、その金額の計上は「タバコ止めたら月に幾ら節約できるから」で弾き出された。
【決心】侵略が完了した瞬間だった。

 タバコを止め、馬鹿っぽく走り、馬鹿っぽくプールで泳ぐ。日々健康である。
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by ajicoba | 2005-12-13 01:28 | エッセイ



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