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京都タワー
 『ゆず』がそのまんま歌ってますが、もうすぐ30歳です。29歳も残り半分余り。ふらっと一人旅に出てみたり、煙草を止めてみたり、急にスイミングや英会話を始めてみたり。将来のこと、仕事のこと、お金のこと、健康のこと、両親や家族のこと。この先にあるだろう不安や心配を、頭より先に身体が感じとって動かされている。そんな感覚です。

 30歳というと、うちのオトンが父親になった歳です。当時のオトンと同じ歳になろうとしている自分。なかなか感慨深いものがあります。オトンも同じように、こんな不安や心配を抱えていたのでしょうか? それとも父親になる希望や自信で一杯だったのでしょうか? ちょうど30歳にかこつけて、今度、聞いてみようと思います。

 最近、結婚当時の両親のこと、そして当時のオトンのことを想像してみたりします。同じ歳の男についてのこと、さほど難しい想像ではありません。そして、いつも思います「オトンには勝てない」と。

 少し家庭のことを書くと、母は姉さん女房です。オトンよりも6歳年上。オトンが調理師として勤めていたお店に、母が仲居さんとして働き始め、それが出逢いとなったらしいです。母はオトンと結婚する前に、既に一度結婚、離婚しており、二人の子供がいました。当時10歳の女の子と、6歳の男の子、後に姉と兄になります。

 オトンが30歳だったということは、母は36歳。6歳も年上の女性、物心のついた子供達。今でこそ『バツイチ』や『バツイチ子持ち』なんて便利な言葉がありますが、30年前のご時世としては世間の風当たりも強かったはずです。「初婚の年下の男性、離婚歴、子供」と母にしても激しい葛藤があったに違いありません。それでもお互いに愛し合って結婚しようと決めたのですから、二人には相当な覚悟があったのだと思います。そして、そんな境遇や風当たりを打ち払ってしまうほど、母は魅力的な女性だったのだろうと。それはそれで嬉しくなったりもします。

 もうすぐ30歳になろとしいている僕の前に、当時の母と同じ境遇の女性が現れたとして、そして同じように魅力的な女性だったとして、恋愛をしたとして、その人を愛して一生連れ添うという覚悟が僕にはできるでしょうか? そう、いつも思うのです「オトンには勝てない」と。

 きっと当時のオトンは今の僕なんかよりも、よっぽど不安で、よっぽど心配で、でもそれを跳ね返すくらいの自信と覚悟に満ちた顔をしていたのだと思います。そんな顔をしてくれてなかったら、僕は生まれていませんから。

 今でこそ白髪混じりで寡黙なことこの上ないオトンですが、内には熱いモノを持っている人なのだと、そして僕にはその血が流れているのだと。そう思うと少し誇らしく、少し自信をもって30歳を迎えられそうな、そんな気がしたりするのです。
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by ajicoba | 2006-02-10 04:13 | エッセイ



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